釜炒り茶とは

釜炒り茶とは、生茶葉からお茶を造る最初の加熱工程を「蒸す」のではなく鉄釜で「炒る」ことで、茶葉本来の風味が引き出され、釜香(かまか)と呼ばれるすっきりした芳ばしい香りのお茶です。

釜炒り茶は力強い香りのお茶に仕上がっています。

釜炒り茶は、釜の中でかくはんしながら乾燥させるので、茶葉の仕上がりが針状ではなく、勾玉状(くるりとねじれて丸まった形)になります。
その形は、摘みたてのお茶の葉を釜で炒って作る釜炒り茶ならではの特徴です。

釜炒り茶の生産は主に、九州の佐賀・長崎・熊本・宮崎県や、四国の高知県で作れています。また九州では、炒る時の釜を傾ける角度の違いで、青柳製・嬉野製に分かれます。

<青柳製(あおやなぎ、あおやぎ)>
・地域:熊本、宮崎
・釜を水平にして炒る

<嬉野製(うれしの)>
・地域:佐賀、長崎
・釜を45度傾けて炒る
・釜を傾けて作るので茶葉がより一層玉状になる

釜を水平にしている青柳製は、他の調理でも使用可能な水平に設置された釜を利用していたところに由来があると言われており、他方、お茶製造専用の釜として設置された嬉野製は傾斜を使用することによって攪拌効率を高め、尚且つ茶葉をやや多めに入れることが出来る特徴があります。水平に釜を設置する青柳製は、茶葉を大量に処理するには向かないため、釜炒り茶の製造においては火入れ機械は若干傾斜を利用する嬉野製に近い構造になっていきましたが、伝統的な嬉野製のように45度まで傾けるものは見られません。現在は、連続式生産が主流となり、トンネルのような構造の釜が一般的で、単一の「丸い釜」を用いて火入れ製造する生産者は数えるほどしかいなくなりました。

釜が水平か傾斜という特徴だけではなく、火入れを繰り返すことで水分を一気に飛ばしながら製造する青柳製と、火入れの後に水乾と言われる乾燥工程を入れながら水分を飛ばしていく嬉野製の違いがあります。火入れを繰り返す手法では茶葉のフレッシュな緑色と爽快な風味となり、乾燥工程を入れる手法では黄金色に済んだ色合いの中に香り高くすっきりとした風味となるとされます。実際には、嬉野や青柳という釜の特徴やその製法の違いよりも、火入れの仕方や温度、時間などにより釜炒り茶の味は多様性に富んだものになります。

弊社では、青柳製の釜炒り茶の伝統製法を基本にしながらも、火入れの方法を改良し、爽やかで香り高くすっきりした味わいを目指しています。

山都町は、九州中央部に位置する九州山地の玄関口であり、阿蘇外輪山の麓に位置した冷涼な土地にあります。この土地では標高が高く、その冷涼な気候により、肥料や薬を使用することなく病気や害虫から守られ、すくすくとお茶の木が生育します。

阿蘇山、高千穂峡、祖母山、遠くには九重連山と九州中央山地を一望できるその土地で育まれた、伝統の釜炒り茶を皆様にお届けします。