伝統の青柳 釜炒り茶の美味しさを追求

かつては家々に伝わる伝統であった釜炒り茶。

釜で炒ることによって茶葉が纏う高い香りと、その繊細な風味に魅せられて、釜炒り茶を作り続けてきました。
九州中部の高涼な土地に代々伝わる青柳式製法の釜炒り茶の伝統を受け継ぎつつも、現代の技術も取り入れ、釜炒り茶の可能性を追求しています。

伝統とは、単に先人達の智慧を受け継ぐだけではないはないと思う。

その智慧の奥深く意味するところを、自らの実践を通じて先人達と対話し、自分なりに感じたことを表現する。
伝えられ・伝えるだけではない、今この瞬間の自分の内側から生まれるものと統合し、発展させていく。
それが本当の伝統ではないか。

そう思いながら釜炒り茶の探求の道を歩んでいます。まだまだ道半ばです。
これからも探求を続けつつ、釜炒り茶の味をお届けしていきます。

釜炒り茶の魅力

釜炒り茶は、その清涼感のある風味の中に奥行きのある優しい甘みがあり、釜で炒ることによって茶葉から引き出される高い香りが特徴です。

伝統的な釜炒り茶で製された緑茶は、その製造過程で揉みと乾燥を繰り返すことによって、茶葉が独特の勾玉状になって仕上がるのが特徴。
深い緑色の茶葉は、湯を注ぐことで開いて、香りと爽やかな甘みと奥行きのある味をお湯に移す。

その他のお茶との大きな違いの一つと考えられるのは、一煎目、二煎目、三煎目と、同じ茶葉にお湯を注ぐことで異なる風味を味わうことが出来ること。
釜炒りという製法が、お茶の持つポテンシャルを最大限引き出す手法の一つと考えられるのは、このような茶の楽しみ方に奥行きを持たせることができることにあります。

とはいえ、お茶は芸術品ではなく、飲むもの、つまりは食の一つです。
日常の中に溶け込んでこそ、その存在価値があります。
日常のお茶、「常茶」の概念は、故 小川八重子先生の提唱された概念ですが、まさに日常と共にあるお茶をとしての本懐を見失わなず、お茶を楽しむ方にとって常に傍にいることで安らぎをもたらすような、お茶を創りたいとも思ってきました。

多様な風味がありながらも、気持ちを洗うような爽やかさをもつ釜炒り茶は、まさに日常のお茶として魅力を兼ね備えています。

釜炒り茶の火入れ